【エビデンス49】歩行の代償動作を改善したいなら靴底を上げてみては?

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【1】タイトル
歩行の代償動作を改善したいなら靴底を上げてみては?

【2】出典
Immediate Changes in Post-Stroke Gait Using a Shoe Lift on the Nonaffected Lower Limb- A Preliminary Study
※参照元(外部リンク)
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/09593985.2020.1771798?journalCode=iptp20
2020年6月 ブラジル

【3】目的
脳卒中後の歩行障害は日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)を制限し、生活の質(QOL:Quality of Life)を低下させる要因の一つである。
患者は、麻痺側の関節可動域制限や随意性の低下から、発症前とは異なる戦略(代償動作)を用いて歩行を行うことが多い。
リハビリテーションでは、代償動作の獲得から逸脱までを目標に歩行訓練を行うが、麻痺側に着目することが多い。
そこで、麻痺の影響を受けていない下肢に着目し、靴の高さを1.5cm上げた場合(補高)の効果を検証してみた。

【4】方法
脳卒中で片麻痺を呈する42名の慢性期患者を対象にした。
麻痺の影響を受けていない下肢の靴底を1.5cm上げて、10m最大歩行速度(MWS:Maximum Walking Speed)と動的バランステスト(TUG:Timed Up & Go Test)を評価した。
 
【5】結果
麻痺の影響を受けていない下肢の靴底を1.5cm高くするとMWSおよびTUGの結果が大幅に改善した。
それぞれの平均値差は、0.78m/秒、0.57秒だった。
 
【6】結論
麻痺の影響を受けていない下肢の靴底を1.5cm上げると、即時効果として歩行速度や動的バランス能力の改善がみられた。
代償動作の逸脱に影響を及ぼした可能性が示唆された。

【7】センター長の感想
歩行時に麻痺側下肢の振り出しが楽になること、麻痺側への荷重量を意図的に増大させることができるからでしょうか。
いずれにせよ、力学的な観点で歩行パターンを分析してみるとおもしろそうですね。
臨床でも取り入れやすい内容ですし、こういうシンプルな研究が私は好きです。

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