【エビデンス51】声楽は記憶と言語の回復を促進する

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【1】タイトル
声楽は記憶と言語の回復を促進する

【2】出典
Vocal music enhances memory and language recovery after stroke- pooled results from two RCTs
※参照元(外部リンク)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33022148/
2020年10月 フィンランド

【3】目的
多くの研究が、日常的に音楽を聴くと脳の回復を促すことを報告しているが、効果を促進する刺激量や神経メカニズムは明らかになっていない。
いっぽう声楽(人声を中心とした音楽)は脳内の広範な両側ネットワークに関与しているという神経画像学的根拠がある。
そこで、声楽が脳卒中後の認知や言語機能の回復と神経可塑性の向上に、音楽や発話訓練よりも効果的かどうかを検証してみた。

【4】方法
脳卒中患者83名を対象にした、発症後最初の3ヵ月間で自身が選択した声楽、器楽、オーディオブックを毎日聞いてもらった。
アウトカム指標は、言語記憶、言語と注意の神経心理学的検査、気分質問票、fMRI(脳構造と機能)を用いた。
急性期(直後)、3ヶ月後、6ヶ月後の段階で比較した。

【5】結果
声楽は、器楽やオーディオブックよりも言語記憶の向上がみられた。
特に失語症患者では、オーディオブックよりも言語の回復幅が大きかった。
fMRIでは、左側頭領域の灰白質体積を増加し、デフォルトモードネットワークの機能的接続性を選択的に増加させることを示した。
 
【6】結論
声楽リスニングは、脳卒中後の認知回復をサポートし、失語症の早期言語回復を強化するための効果的で簡単に適応可能なツールであることが明らかになった。
声楽リスニングの効果は、感情処理、言語、記憶に不可欠な側頭頭頂ネットワークの構造的、機能的な可塑性変化によって促進される。

【7】センター長の感想
声楽を聞けば言語聴覚療法が必要ないということではありません。
短期間で集中的なリハビリテーションを行う際に、例えば自主練として、病室もしくは自宅に帰った際にでもこういった取り組みを行うと相乗効果があるということです。

ちなみに僕は毎朝車でKing Gnuの歌を聞いてテンションあげてます。
いい意味で仕事に影響していると思います。

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