当ステーションの施術方針や考え方についても知ってもらうためにも、論文を定期的に紹介していきます。
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【1】タイトル
脳卒中後は身体が傾きやすい
【2】出典
Effects of galvanic vestibular stimulation combined with physical therapy on pusher behavior in stroke patients: A case series.
参照元(※外部リンク)
2014年7月 日本
【3】目的
脳卒中後、麻痺側に身体が勝手に傾く症状をプッシャー現象という。
本研究ではプッシャー現象に対する前庭感覚電気刺激(GVS)の効果を詳しく調べてみた。
【4】方法
プッシャー現象を呈する脳卒中患者2名を対象にした。(ABABシングルケースデザイン)
通常行うリハビリ(理学療法)にGVSを組み合わせ、2週間後の効果を確認した。
GVSはリハビリを実施する前に20分間実施した。
プッシャー現象は、Contraversive Pushing(SCP)のスケールとBurke Lateropulsion Scale(BLS)を用いて評価した。
【5】結果
両患者ともGVSを実施した週にのみSCPの改善を認めた。
BLSは通常のリハビリでも改善がみられたが、GVSを行った週により大きな改善を認めた。
【6】結論
プッシャー現象の改善に、前庭感覚刺激(GVS)が効果的であることが示唆された。
【7】センター長の感想
臨床をしていると「麻痺側に傾いていく人」「非麻痺側に傾いていく人」の2パターンを見かけます。
プッシャー現象は前者(麻痺側に傾いていく)を指しますが、改善に時間を要するケースが多いです。
訓練前の先行刺激として、電気刺激を用いるのは良いかもしれませんね。