【エビデンス143】脳卒中後の歩行で、エネルギー消費量が高くなる理由

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【1】タイトル
脳卒中後の歩行で、エネルギー消費量が高くなる理由

【2】出典
The reasons why stroke patients expend so much energy to walk slowly.
※参照元(外部リンク
2012年5月 ベルギー
 
【3】目的
脳卒中片麻痺患者は歩行距離あたりのエネルギー消費量が健康な成人より高いと言われている。
その原因が、麻痺による筋肉の仕事量低下によるものか、歩行速度低下によるものか、を詳しく調べてみた。

【4】方法
脳卒中片麻痺患者20名を対象にした。
トレッドミルを用いて、歩行速度1km/hから最高速度までの範囲で力学的な歩行解析を行った。
 
【5】結果
脳卒中片麻痺患者は、歩行時に健康な成人と比較して1.7倍のエネルギーを消費することが明らかになった。
特に、歩行速度(最高速度)が遅い場合、筋肉の仕事量が増加し、エネルギー消費量が高くなる傾向にあった。
力学的な歩行解析の結果、麻痺のない健常側の下肢で、体重心を引き上げようとする動作が、エネルギー消費量を高くしている原因だと考えられる。
 
【6】結論
歩行中のエネルギー消費量は、歩行速度(最高速度)が遅い場合に顕著に高くなる。
しかし、エネルギー消費量が高くなる原因は、歩行速度が原因ではなく、筋活動による麻痺側下肢を上に引き上げる動作によって高くなっていることが明らかになった。

【7】センター長の感想
脳卒中片麻痺患者さんは、姿勢制御(転倒しないために身体の使い方が特殊にならざるをえない)に注意を払うため歩行速度が遅くなる傾向にあります。
その気になって全力を出せば早く歩くことは出来ますが、そのぶん転倒しやすくなるということです。
麻痺によって思うように足が動かせないので、自分に合った身体の使い方を体得し、それが結果的に非効率的な動きであるためエネルギー消費量が高くなる。
上記の理由により、効率のよい歩き方をリハビリによって再獲得することが大事だと私は考えます。

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