【エビデンス153】半側空間無視に対する聴覚刺激の効果

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【1】タイトル
半側空間無視に対する聴覚刺激の効果

【2】出典
Can auditory cues improve visuo-spatial neglect- Results of two pilot studies
※参照元(外部リンク
2020年2月 ドイツ
 
【3】目的
半側空間無視とは、脳卒中で右半球を損傷した方の約4割に合併する症状で、視覚的に左側が見えているにも関わらず左側の空間が認識できない状態であることを指す。
リハビリでは、主に左側への注意集中訓練や視覚操作訓練が行われるが、注意集中訓練の中に聴覚刺激訓練というものがある。
これは無視が生じる方向に音源があるときに無視の症状が改善するというものであるが、研究のサンプル数が少なく、その効果も短期的なものについてしか分かっていない。
そこで、聴覚刺激の音源が移動する環境下で、繰り返し長期に介入した際の効果を詳しく調べてみた。
 
【4】方法
脳卒中で半側空間無視の症状を呈する患者25名を対象にした。
聴覚刺激グループと視覚操作グループにランダムで振り分けを行い、3週間の治療と、3日後の状態を比較した。
聴覚刺激については、音源が右から左に動的に動くよう音量レベルをコンピューターでプログラミングした。
このように音源に注意が向くような訓練を1日あたり30分間行った。
 
【5】結果
両グループともに短期的に有意な症状緩和を認めた。
効果の持続に関しては、聴覚刺激グループのみであった。
 
【6】結論
音源がダイナミックに移動する聴覚刺激の繰り返し訓練により、半側空間無視の症状緩和と効果の持続を認めた。
さらなる調査が期待される。
 
【7】センター長の感想
無視のある方向に注意を向ける場合、視覚・聴覚での手がかりを設定すると効果が期待できそうですね。
一つの方法に拘るのではなく、様々な方法で、その人に合った効果的な方法を評価しながら進めていく。
すごくシンプルで臨床に取り入れやすい研究だと感じました。
早速、試してみます。

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