【エビデンス154】〇〇しながら歩くことの効果

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【1】タイトル
〇〇しながら歩くことの効果

【2】出典
A randomised controlled trial of a walking training with simultaneous cognitive demand (dual task) in chronic stroke
※参照元(外部リンク
2018年10月 イギリス
 
【3】目的
日常生活において「ただ歩く」といった単純な動作を行うことは少ない。
例えば「会話や買い物をしながら歩く」というように、同時に複数の課題を遂行する場面が多い。
脳卒中経験者は、このような「運動+認知課題」を同時に遂行する能力が低下することが分かっている。
そこで、脳卒中経験者を対象に「シンプルな歩行訓練」と「歩行+認知課題の同時遂行」の効果を比較してみた。
 
【4】方法
発症から6ヶ月以上が経過した慢性期の脳卒中経験者で、歩行に問題を抱える50名を対象にした。
50名を2グループに振り分け、歩行訓練はトレッドミルを使用し、1回30分間の有酸素運動を週2回×10週間行った。
いっぽうのグループには並行して認知課題(連続引き算など)を与えた。
 
【5】結果
訓練終了からさらに12週間後までフォローした結果、2分間連続歩行距離の改善比較は、歩行訓練のみのグループが86.7m→92.8m、認知課題の同時遂行グループは、90.7m→103.5mであった。
PASE(Physical Activity Scale for Elderly)身体活動量スコアは、歩行訓練のみグループが94.7→77.3、認知課題の同時遂行グループが74.3→89.9であった。
統計学的には、PASEスコアの変化のみがグループ間で異なることが分かった。
 
【6】結論
トレッドミルを用いた1回30分間の有酸素運動(歩行訓練)を週2回×10週間行うと、慢性期の脳卒中患者であっても歩行能力の改善が期待できる。
また、認知課題を同時に遂行した場合のみ、訓練終了後の身体活動量が増加する可能性がある。
 
【7】センター長の感想
脳卒中後遺症で運動麻痺を抱えている場合、麻痺側が思うように動かないため足元に注意が向きます。
このため、他の情報を処理(脳は同時に3つまでしか情報処理できないそうです)するのが困難になるケースが多いです。
頭では分かっていても、歩き方を変えるのは容易ではないのです。
そういった方々にリハビリを行う際、シンプルな歩行訓練も必要ですが、在宅や地域での生活空間が狭小化することを防ぐためにこういった重複課題の実施が必要かもしれませんね。

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