【エビデンス161】ふらついた時に足がでるか?

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【1】タイトル
ふらついた時に足がでるか?

【2】出典
Stepping characteristics during externally induced lateral reactive and voluntary steps in chronic stroke
※参照元(外部リンク
2019年5月 アメリカ

【3】目的
バランスを崩した時に頭で考えるよりも早く足が動くことをステッピング反応という。
ステップを踏み出せるかどうかは転倒予防に重要であるが、脳卒中経験者は反応が低下すると考えられている。
そこで、外部から意図的に動揺を与えた際のステッピング反応について、脳卒中患者を対象に詳しく調べてみた。
 
【4】方法
慢性期の脳卒中患者10名を対象にした。
また、年齢と性別を一致させた健康な一般成人10名を比較対象にした。
腰に紐をつけて機械で瞬間的に引っ張る刺激を与え、反応時間、ステップ幅、ステップクリアランス(床と靴底までの距離)、ステップ速度を比較した。
また、バランスの許容限界、ステップの種類(方法)、踏ん張る際に発生する股関節の筋トルク(外転筋・内転筋)を評価した。

【5】結果
外部からの刺激に反応するまでの時間は両グループ間で有意差を認めなかった。
両グループともに、ステップするよりも早く身体が反応していた。
脳卒中経験者は、ステップ速度が遅く、ステップ幅が狭い、バランスの許容限界も狭く、ステップの種類(3)も特徴的であった。

ステップの種類
 1. lateral step : 外側の足を踏み出す。
  (バランスを崩した方向と同側)
 2. crossover step : 内側の足を踏み出してクロスする。
  (バランスを崩した方向と逆側)
 3. medial step : 内側の足を踏み出す。
  (バランスを崩した方向と逆側)

【6】結論
脳卒中経験者は、バランスを崩した際に身体は反応するが足が出ないことが明らかになった。
外側の足が踏み出せず内側の足を踏み出す原因は、股関節の外転筋が弱く、外側にかかる体重を支え切れないため、これを軽減するための戦略であると考えられる。
 
【7】センター長の感想
お正月の独楽(コマ)を想像してもらえると分かりやすいです。

 

 

 

脳卒中経験者がバランスを崩した際に転倒しやすいのは、反応速度の問題ではなく、足で体重を支え切れないからであり、かつ、足元が狭いからだという研究結果です。

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